2009年5月24日

読書「定刻発車―日本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか?」

日本の在来線の90%は、定刻に発着する。イギリスやフランス、イタリアなどもほぼ同様の率ではあるものの、その基準が大きく違う。イギリスやフランスが、14分以上の遅延だったり15分以上の遅延をもって定刻でないと判断するのに対して、日本のそれは1分以上の遅延!発展途上国などに至っては、1日や2日遅れることなどもあるというのにだ。要するに、日本の鉄道の正確性は、他の国を大きく引き離したぶっちぎりのトップにある。それも戦前から、太平洋戦争の混乱期を除き、現在に至るまで、その正確性を維持し続けている。
毎日のように遅刻を繰り返す自分としては、この本を読むまで、どうして日本の鉄道がそんなに正確でなければならないのかがわからなかった。日本社会が、鉄道の15分の遅延を許容するなら、一社員の25分の遅刻も許容してくれそうなものではないか。でも日本の鉄道は、1分を越える遅延を許すことができない。日本の鉄道というネットワークシステムは、あまりにも巨大で融通が利かなすぎる。ひとつの鉄道の“小さな”遅れは、周辺の鉄道の“大きな”遅れになる。終電が遅れれば、保安作業の時間が少なくなり、一番大切な安全さえもが確保できないのだから、やはり“小さな”遅れさえも許容すべきではないのだろう。
その都合は良くわかる。でも鉄道を遅延させる最大の理由である、飛び込み自殺が首都圏のJRで一日に2~3回もある、て事実を知ると、やっぱり何だかなぁ、という気分になる。毎朝の電車の10分や20分の遅れ、帰省する新幹線の1時間の遅れ、たまの連休に2~3時間遅れた電車で寂れた温泉場まで…そんなことを許容し楽しめるような社会に、毎朝飛び込み自殺があるようには思えない。
ただ日本ていう社会は、日本の鉄道以上に融通が利かない。価値観があまりにも画一化されすぎてやしないだろうか?別に毎朝決まって30分遅刻するサラリーマンを許せ、という訳ではないけれど。

2 件のコメント:

Shu さんのコメント...

誰の話だ?
自分か?それともT部長か?(w

Battle Typhoon さんのコメント...

自分のことッス…。T部長の現状は、よくわかりません。

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