2009年6月11日

読書「血税空港 本日も遠く高く不便な空の便 」

地方に旅行に行く際、だいたい通過するのが羽田空港と地方空港。進化を続ける羽田は良いとして、地方空港は正直どこに行っても同じ。飛行機を降りてから、手荷物受け取りまでのアプローチとか、微妙な地方限定の広告とか、大枠はほぼ同じです。ログハウス風とか書院造とか神明造とかあっても良さそうなものだけど、イメージとしては四角い白い建物で統一されていて、全く面白くない。
日本全国にある空港の数は、なんと98!2010年に開港される茨城空港を入れると99!47都道府県なので、各都道府県に2つずつある計算になる。そしてそのほとんどすべて、羽田空港と新千歳空港を除くすべてが赤字なのだそうだ。乗降客がTOP5に入るほど多い伊丹や福岡でさえも、周辺地域への補償で赤字になるらしい。赤字の補填は、全て税金で賄われていることを考えると、橋下大阪府知事のように、関空があるんだから伊丹は廃港にすればいいじゃねえか、とか思ってしまう。山陰地方でいうと、島根県出雲空港と石見空港、鳥取県に鳥取空港と米子空港はいらないでしょ。それぞれ自動車で1時間圏な訳だし。
そんな税金無駄遣いな地方空港事情よりももっと深刻なのが、国際線のキャパ不足問題らしい。成田は相変わらず拡張できず、夜間発着もできず、滑走路を拡張した羽田空港には、おおっぴらに国際線を発着させることもできない。世界各国の航空会社が、成田か羽田への就航を希望しているのに、それに応えられない状況が長年続いている。そんな訳だから、日本の航空行政は、オープンスカイ全盛の世界の潮流からは、大きく遅れをとっており、危機的な状況にあり、韓国の仁川空港や台湾の桃園空港、シンガポールのチャンギ空港にハブ空港としての機能を追い越されて久しい。アメリカ大陸に対して地理的なアドバンテージがあるにも関わらずのこの現状は、日本経済にとって本当に危機なのです。
かと言って、正直何をどうすれば良いのかよくわからず、米子空港INの石見空港OUTって、境港の水木しげる記念館→松江→出雲大社→石見銀山、ていうルートには最適の空港配置だなぁ、と考えてしまうんですけどね。

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