2007年6月27日

クリス・ベノワ

のんびりとした昼下がり、久々に届いた知人からのメールでとても悲しいニュースを知りました。
W・ペガサスことクリス・ベノワ死去
断片的なWEB上の情報や、関係筋に入ったらしい第一報などから「一家無理心中」的なものではないか、と推察します。どんな理由があったにせよ、悲しいことです。ご冥福をお祈りします。
ご存じない方のために説明すると、クリス・ベノワはカナダ出身にも関わらず、日本の新日本プロレスで修行をして、Jrヘビー級チャンピオンに輝いた後アメリカへ戻り、世界最大のプロレス団体WWEのヘビー級チャンピオンにまでのぼりつめ、ファンのみならずレスラー仲間からも広く尊敬を集めた、超一流のプロレスラーでした。
ベノワが北米に戻ったころのアメリカンプロレスというのは、ショー的な要素がとても強く、日本のプロレス(ストロングスタイルと言ってしまいますが)と比べるべくもないほど、その“レスリング”という格闘技のエッセンスが薄まったものでした。そこにベノワは、新日本プロレスで培ったストロングスタイルを堂々と持ち込み、同じような経歴を持つエディ・ゲレロと共に一世を風靡したのです。しかし、そのエディもすでに早逝し、ベノワも40歳という若さで亡くなりました。
日本はそれほどでもないですが、とにかくアメリカのプロレスラーは若くして亡くなる人が多いです。
・遠征続きで、毎日のようにリングに上がらなければならない。
・テレビ向きのカラダを作るために、筋肉増強剤を使用する。
・痛みをごまかすために、鎮痛剤を大量に服用する。
・同じような理由でアルコール中毒になる。
・同じような理由でドラッグ中毒になる。
ざっと考えただけで、これほどの不健康そうな理由が思い当たります。アメリカンプロレスの裏側には、想像を絶するような苦難が満ち満ちているに違いないんです。

そんな中、ストロングスタイルの元祖・A.猪木氏が主催するIGFの旗揚げ戦「闘今BOM-BA-YE」は、開催まで残り3日となっても対戦カードはおろか、出場者さえも確定していない模様。
小川イライラ、カードが決まらず「本当にやるんかいな」=IGF
さすが本家は、くよくよ悩みません。さらにまだ旗揚げ戦も終わっていないIGFの向こうを張るこんなイベントも…
レスナーvsアングル、こちらは無事調印式=7.6 NOSAWAボンバイエ
このヌルさが日本のプロレスラーの寿命を伸ばしてるんです。これで良いんです。アメリカみたいに悲しいことになるくらいなら、こんな日本のプロレスで良いんです。そしてこんな日本プロレス界を支える、プロレスラーとプロレスマスコミ、プロレスファンの懐の深さは、国技である大相撲ゆずりなのだと思います。

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